ひつじ年に
今更ですが、あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
気づけば昨年8月以来の更新となっております。
今年はひつじ年ですね。昨日、ある会でとある方が仰られた事を一つ。
羊が大きくなると「美」という字になる。
また、ひつじという字は「羊」と書きますが、これは的に3本の矢が刺さった状態であると。
的「Y」に矢が3本刺さって、「羊」になると。
アベノミクスの3本の矢が無事的に刺さり美しい年になれば良いというお話でした。
みなさんが美しい年になればということを祈念して本年度最初の更新とさせて頂きます。
追伸
以下、告知です。
針供養のお知らせ
日 時:平成27年2月8日(日)10:00〜
場 所:徳与寺(岡山市中区徳吉町1−2−33)
徳与寺には技芸の神様である淡島天神をおまつりしてあり、昭和52年に日本和裁士会岡山県支部が針塚を建てています。
本年は日曜日でも有りますので、是非多くの方にご参拝頂きたいと思います。
それでは、また。
インクのしみ抜き
こんにちわ。
毎日、蒸し暑い日が続きますね。梅雨の時期みたいです。
今日のテーマはインクのしみ抜きです。
以前、筆ペンのしみ抜き例を紹介したことがありますが、似ている部分もあります。
付いた衣類の素材や付いたインクの種類によって難易度が大きく変わってきます。かなり辛抱強くしみ抜きしても完全には取れないことも間々あります。
しみ抜き前がこちら、
右側は拡大図です。
薄手のセーターにチョンとついています。
それからもうひとつ。白衣についたインクのしみ抜きです。途中経過も含めて。
まず、しみ抜き前がこちら、
肩と袖の部分にインクがついているのが分かると思います。よく見ると黒いインクの周りに赤っぽい色や黄色っぽい色も見えると思います。一口に黒インクといってもこのように色々な色を混ぜて黒にしてある物もあります。カーボン(いわゆる煤(すす))のみで黒くしているものもあります。
カーボンを丹念に取り除く作業が一番大変なのですが、取り除いた後がこちら。
肩の部分ですが、うっすらと赤い色が残っているのが確認できると思います。袖の部分はこの時点では敢えてしみ抜きしてません。
その後、赤い色をしみ抜きしてこの部分は完成です。それがこちら、
少しピンボケしてますが、きれいになっているのが確認できると思います。
インクのしみ抜きはカーボンを取ってやる部分が一番難しく、生地によっては繊維の中まで細かく入り込んでしまったら取りきれない場合も出て来ます。
きもののお手入れ、靴、カバンのお手入れは是非、当店で。
シミは抜いても手は抜きません。
最後までお読み下さりありがとうございます。
では、また。
お召の黄変抜き
こんにちわ。
自習期間終了につき、久々の更新です。
先日来よりやり取りをしているお客様の事例です。きっかけは分かりませんが、最初に裄直しについてメールで問い合わせがありました。そこから何度もメールでやり取りをして品物を送って頂き、仕上がりにはご満足を頂きました。そして、今回のお召のきものです。どこかは分かりませんが、京都の業者にお手入れ(丸洗い+しみ抜き)を出したら、良い値段したわりにはシミが取れてないと。「古いシミなのでこんなものですねー」との返事。がっかりされたそうです。
そこで、うちに問い合わせがありました。そのシミが取れるかと。しみ抜きについてはどこも同じだと思うのですが、実物を見てみないとよくわかりません。次のメールで画像を添付して下さいました。その画像を見ると、完全には綺麗にならないかもしれないが、かなり薄くはなりそうな気がしました。その旨伝えたところ、現物を送って下さいました。そして、お見積りをして了解を頂いた後、作業に掛かりました。
で、しみ抜き後がこちら、
ほぼ、分からないくらいにはなっていると思います。
その旨画像をつけて連絡したところ、
「 お忙しい中、シミ取り作業、及び、仕上がり具合のお知らせを頂きありがとうございます。
わざわざ画像を添付してくださりお手数をお掛けしました。
シミ取りの画像、拝見いたしました。
想像していた以上に綺麗な仕上がりに驚いております。
先の某店での<丸洗い&シミ取り>ではお値段の割に残念な結果でしたので
心配しておりましたが、画像を拝見する限り充分着用できる綺麗さで嬉しい限りです。
何よりも本来の持ち主であった母が一番驚いておりました。
非常に古いシミでしたので、いろいろと試行錯誤していただき、大 変な作業だったかと存じます。
本当にありがとうございます。」
とのお返事を頂きました。冥利に尽きるとはまさにこの事だと思いました。
お召は色を剥がすと治りにくいのでシミ抜きには注意が必要です。他店で取れなかったしみ抜きは是非当店で!
では、また。
たまには靴を・・・
こんにちわ。
当方、ご存知だとは思いますが悉皆業を営んでおります。悉皆業というのは、読んで字のごとく、「悉(ことごと)く皆(みな)する」ということです。詳細はこちら。
いつもしみ抜きだとか、しみ抜きだとか、しみ抜きだとかを紹介しておりますが、皮革製品のメンテナンスを行っております。
皮革製品と敢えて書かせて頂いたのは、革なら一応なんでもだからです。靴・バッグに限らず、革製の椅子なんかもさせて頂いた事があります。
それで、本日のお題。たまには靴を・・・紹介したいと思います。
本日ご紹介するのはこちら、
スウェードの靴です。
スウェードというのは、いわゆる裏側いや、裏革の事ですね。
革には表と裏があり、表は銀面と呼ばれています。スウェードとよく似たものに「ヌバック」というものがありますが、あれは裏革ではなく、表革(銀面)にスレを出して毛羽立たせたものの事をいいます。
繊維製品でいうと、テンセル(リヨセル)と同じようなものですね。余計わかりにくくなったか?
前置きが長くなりましたが、まずはお手入れ前の画です。
左が全体で右側が先端部分の拡大です。
先端部分にやや黒いところが残るもののかなり綺麗になっているのがお分かり頂けると思います。
スウェードはその革の構造上、細かい汚れが入ると取れにくいのですがかなり綺麗になりました。
革靴を洗うという発想はなかなかないかもしれませんが、是非とも洗って頂きたいと思います(でもご家庭で洗うのはおすすめできません)。というのも、そもそも何が違うかということですが、弊社でも水洗いします。でも、普通の水道水ではなく「オゾン水」という水を使います。最近、洗浄便座(わかりやすく言うとウォシュレット)でも消臭機能がついているものがありますが、あれは大抵オゾンを使用して消臭しています。そして、オゾンには殺菌効果もあります。
革靴をジャブジャブ洗いますが、ものすごく短時間で洗います。やはり、水に長時間浸かることは靴にとってはいいことではありません。でも、短時間で洗うには限界がある。そこで、オゾン水を使用します。
是非とも靴を洗いましょう!! Let's Joy!!!
では、また。
告知
こんにちわ。
遅くなりましたが今年初めての更新です。今年も宜しくお願いします。
本日のタイトルは告知です。
まず最初に、弊社の告知から。
今年は、送料無料キャンペーンというのを実施したいと思います。
今までは、加工代金が1万円以上だと送料無料でした(弊社からの返送送料です)。ですが本年は、1万円以下でも送料無料とさせて頂きます。
なーんだ、大したことないじゃんと思われるかもしれませんが、例えば、見積りして高いなと思って返品を希望されても送料無料です。でも、お客様から送られる際の送料はお客様負担でお願いします。
告知その2。
これは弊社の告知ではないのですが、「十三参り」のご案内です。
「十三参り」とは、数え年で13際になった子供が虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)にお参りして知恵を授かるという行事です。
七五三と成人式の間の行事と思っていただけたら良いと思います。因みに何故「虚空像菩薩」なのかということですが、虚空蔵菩薩は13番目に誕生した知恵と福徳を司る菩薩だからだそうです。虚空蔵菩薩はどこのお寺にでも祀ってあるわけでは無く、真言宗の一部のお寺にしかないようです。
岡山県では、津山の萬福寺が有名ですが、岡山市内では徳与寺にも祀られています。
徳与寺の住所:岡山市中区徳吉町1丁目2番33号
徳与寺の場所はこちら
http://homepage3.nifty.com/tokuyoji/sub2.html
三勲小学校を目安に来て頂ければいいのですが、国道250号は南から来ると右折禁止になっているので注意して下さい。
日時は毎年4月の第一日曜日です。本年は、4月6日(日)の10時から15時までです。
詳しくは徳与寺さんにお問い合わせ下さい。
十三参りは本身祝いといって、大人と同じようにきものを仕立ててもらい肩上げをして着るという習わしもあります。
では、また。
ゴムによる箔の変色
こんにちわ。
今日ご紹介するのは、ゴムによる箔の変色です。
実物を見て頂きましょう。こちら、
見てのとおり帯です。表面は金箔、裏面は銀箔の帯です。裏面の部分に手先とたれ先にそれぞれ黒く変色した輪が見えると思います。
畳んでしまう時に何らかの理由で輪ゴムが挟まってそのまましまっていたのだと思います。打ち合ったように変色しているのがわかると思います。
拡大した画はこちら、
変色の原因は何かというと輪ゴムです。
輪ゴムのゴムが引っ付いています。しみ抜きしたあとはこちら、
やはり輪ゴムが接触していた部分は銀箔が黒く変色しています。
ゴムに含まれる硫黄分で変色してしまったのだと思います。
輪ゴムなんてどこにでもあるもので、ありがちな事故ですが、こうなってしまうと多少マシにはなるかもしれませんが、元に戻すことは不可能です。気をつけて下さい。その他、ゴム意外にも革にも硫黄分が含まれているので、革製品と帯等を一緒にしまうのはダメです。
では、また。
名古屋帯の色取り
こんにちわ。
先日、染色補正1級技能士の合格証書が届きました。ちょっと京都までは取りに行けないので郵送してもらいましたが、それが届きました。その内HPにUPする予定ですが、とりあえずここで報告します。
併せてバッジも届きました。2級の証書&バッジはどこ行ったか分かりませんが(探せば出て来ると思う)、1級は大事にしたいと思います。
ところで、今日のテーマは帯の色取りです。
まず、実物の画を見て頂きましょう。こちら、
太鼓の部分ですが、柄の上のところに着物の色と思われる色がついています。着物は一緒に出されてませんので分かりませんが、生地は絽で染めの帯なのできっと紬系統の着物で直接染料で染めた単衣の着物ではないかと思われます。あくまで推測ですが。。
アプローチとしては、色なので漂白剤を使用して取る。という方法がありますが、漂白剤を使用すると生地の色まで取れてしまいます。そうすると今度は色掛けをしないといけなくなり、とても大変です。出来れば、地色を損なわずについている色だけを取るというのが良いと思います。
よく見ると、若干薄く残っている部分があるのですが、まぁ、これなら許せるかなという位にはなっていると思います。
先日、お得意さんから電話があり、12月の初めに結婚式があり、留袖を着ようと思ったらカビが生えてたので、急いで取ってほしいが間に合うかという電話がありました。カビ取りだけなら間に合うだろうと言う事で、お話させて頂いたのですが、その後、別のお得意さんからも同様に留袖のカビが生えてるので取ってほしいとの事。一瞬、同じお客さんなのでは?と思いましたが、よく聞いてみると着用日が少しずれてました。
喪服程ではないですが、留袖もカビが生えやすく、特に胡粉を使用した柄の部分や比翼と八掛けの間に生えたりしているものが多いです。喪服と違い留袖は、予定を立てて着用される物なので、早めのお手入れをお勧めします。
きもののお手入れは是非当店で。
では、また。