染色補正技能士

こんばんわ。

本日のネタは染色補正技能士についてです。

弊社のような仕事をする場合に必要な資格は、クリーニング師です。きもの丸洗いと歌ったお店でクリーニング師の資格がないとちょっとヤバいです。法に触れます。ワタクシ、クリーニング師の資格は大学時代に取得しました。今から20年近く前です。クリーニング師の資格は都道府県の認可で、県によって多少試験内容が違います。岡山県の場合は、実技試験がカッターシャツのアイロンがけと繊維の識別。それと学科試験です。

そしてもう一つ、これは必ず必要という訳ではないのですが、染色補正技能士です。この染色補正技能士というのは技能検定と呼ばれるもののひとつで、染色補正技能士の場合、1級と2級があります。2級は実務経験が5年(以前は8年)以上、1級の場合は実務経験が8年(以前は12年)以上ないと受けられません。2級だと交付は都道府県知事名、1級だと交付は厚生労働大臣名になります。いわゆる国家検定というやつですね。

試験内容としては、
1級は、
第1課題:文様の消し作業を行う。
第2課題:ぼかしの合わせ作業を行う。
第3課題:小紋直し作業を行う。
この課題を6時間以内で、

2級は、
第1課題:文様の消し作業を行う。
第2課題:ぼかしの合わせ作業を行う。
第3課題:小紋直し作業を行う。
この課題を4時間30分以内で行う事になってます。

ワタクシ、2級は4年前に取得しました(この時、経験年数の都合上1級は受けられず)。
そして、この度、1級に合格しました。一発で合格するか不安でしたが、見事合格できました。教えて下さった先生方に感謝感謝です。

これからも、日々精進を続けてより一層の技術の上達を図りたいと思います。

まだ合格証書は届いておりませんので、届いたらホームページの方にでもUPしたいと思っております。

では、また。

園遊会(告知)

こんにちわ。

過去、投稿が少ない水曜日の投稿です。

今日は、短めで。

園遊会の告知です。

今年も岡山後楽園の園遊会の季節が近づいて来ました。今年は、園遊会はないのでは???などと思われている方に朗報です。

今年も園遊会あります。昨年までとは若干異なりますが。。。昨年までとは実施母体が異なるのです。それは、話が長くなるので置いときますが、とにかくあります。

チラシはこちら、

日時は、平成25年11月10日(日)10時〜15時です。

場所は、岡山後楽園

会費は、1,000円です(チケットあり)。昨年迄は、2,000円でお弁当がついておりましたが、今年は1,000円でお弁当はついておりません。
但し、後楽園の入園券(400円)と園内のお店で使える金券(600円分)とお楽しみ抽選券がついておりますので、損はしない内容となっております。
チケットの取り扱いは、当店でも行っています。

きものを着て来られた方は、受付で申し出ると後楽園でとれたお米で作ったおかきがもらえるそうです。チラシにはポストカードと書いてありますが、おかきだそうです。

イベントも沢山あります。きものでも服でもどちらでも構いませんので、是非、お誘い合わせの上、お越し下さい。

以上

付け下げ 袖の黄変抜き

こんにちわ。

今日もしみ抜き例です。

付け下げの袖のシミを抜いてほしいとのご依頼でした。
シミの画がこちら、

見事に黄変しています。っていうか、黄変というより褐変といっても良いと思います。
この位の濃さのシミになると生地が弱っていて注意しないとしみ抜き時に穴があいてしまう事もあります。
また、シミの色が濃いほど抜けにくくなります。

で、しみ抜き後がこちら、

なんとかほぼ分からない位になりました。

着用後は必ずお手入れに出しましょう。思わぬシミを見逃していたりすることがありますので、プロにお任せを!


ところで、ここからは雑談(どうでもいい話)です。でも、どうでもいいと言いつつも、是非とも聞いて欲しくて敢えて言います。
井原市は今年市制60周年なのですが、その記念に市のキャラクター(いわゆる、ゆるキャラ)を作りました。
それが、こちら

その名も「でんちゅうくん」!

市のキャラなので、約1ヵ月前の夏まつりにも登場しておりました。それを見るなり、うちの娘が、「あっ、でんちゅうくんだー!」と曰っていました。
ワタクシ、初めてこのでんちゅうくんを見た時(確か市広報だったと思う)、すごく違和感を覚えました。

何故かというと、だって、このキャラクターはでんちゅうくんではないものっ!

どう見ても鏡獅子を模したキャラクターでしょ?
郷土の偉人、平櫛田中作 鏡獅子を模したキャラクターだから「でんちゅうくん」と言いたいのは分かります。

ちなみに平櫛田中作 鏡獅子はこちら、
http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/denchu_works/works/denchu_works_sculpture01.html

でもね、おかしな点が二つ。
その1、あれは「鏡獅子」であって「でんちゅうくん」ではない。
その2、郷土の偉人、平櫛田中翁を仮にも君付けで呼ぶのはおかしい。

1については、子供が間違って覚える可能性大です。その証拠に、井原のタクシー会社の所有するバスに鏡獅子の顔が書いてあるものがありますが、そのバスを見た時、うちの子は「あっ、でんちゅうくんだ」といっておりました。多分、井原市民会館の隣りの田中公園に行った時、中央にある鏡獅子の像を見ても「でんちゅうくん」という可能性があります。その像自体は色が塗ってなく、こげ茶一色の為その可能性は低いですが。
でも、ある日ある時、本物の鏡獅子を見て、「でんちゅうくん」と言った時に、「いやあれはでんちゅうくんではなく、鏡獅子なんだよ」と、犬を「ワンワン」と教えられたのに、「いやあれは犬なんだよ」と訂正されるような日が来るのです。でも、問題なのは、犬をワンワンと言うのはせいぜい物心つく前だと思うのですが、「でんちゅうくん」は小学校や幼稚園に出没し、物心ついた園児や児童に間違った知識を刷り込む可能性があるのです。

そして、2についてですが、やはり郷土の偉人、平櫛田中翁を君付けして呼んでいるようで抵抗ありです。親しみを込めて呼ぶにしても「でんちゅうさん」まででしょう。でんちゅうさんの凄さは、こちらをご覧ください。
http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/about_denchu/denchu_story_index.html
http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/about_denchu/denchu_side_story.html
凄いでしょ!特にこぼれ話なんかは、感動モノです。

こんな凄い方を君付けはおかしいし、こどもの教育上宜しくないと思います。しかも、「井原市のキャラクター“でんちゅうくん”」という言葉だけ見ると、電信柱のキャラクターみたいでしょ?!

批判ばかりしていても仕方ないので、ワタクシなりの解決策を提案します。
「でんちゅうくん」改め、「かがみじっしー」

どうでしょう?

船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」とのコラボで知名度アップも間違いなし。そして、こちらは、市公認キャラクターという違いもあります。

井原市、そして、田中美術館の知名度をあげるならこちらの方が断然良いと思いますが。。。。

どうでもいい話の方が長くなりましたが、今日はこの辺で。では、また。

ご意見はコメント欄で受け付けます。

赤ワインのしみ抜き

こんにちわ。

あまりこれといってネタがないので、しみ抜き例を紹介したいと思います。

月並みですが、赤ワインのしみ抜き。

ブラウスに赤ワインが付いたものです。

わかりにくいかもしれませんが、真中付近に3か所並んでついていると思います。地色はベージュとねずみ色を合わせたような薄い色でした。

しみ抜き後がこちら

先日テレビで赤ワインのしみ抜きには白ワインを掛けて叩くと取れるみたいなことをやってました。

ちなみにうちではそんなことはしません。

赤ワインは落ちない。ついたらしみ抜きは難しいという人がいますが、そんなことはありません。そんなに難しいしみ抜きではありません。黄変のシミを抜いて色を掛けることに比べたらなんてことはありません。ただ、水で処理しますので、水が掛けられない商品(水を掛けると著しく縮む、或いは色が出る)は困難な場合があります。

では、また。

カビについて パート2

こんにちわ。

前回の続きです。

カビの生えやすい着物って何でしょう?

うちでもカビ取りの依頼がよく来ますが、多いのはやはり喪服です。

次に大島等の紬ですね。そして留袖。大島等の紬は濃い色が多く、カビが目立ちやすいというのもあるかも知れません。喪服にしても叱りです。

喪服等に来るカビは白いカビ。

そして、柄の部分にある黄色或いは、茶色いシミもカビの場合が多いです。
例えば、こういうやつ

鶴の羽の刺繍の部分にもありますが、その先部分に茶色く点々とあるのはカビです。

何故、カビが生えるのでしょうか?湿気があるところに置いておいたから?

確かにそれもあると思います。

でも、同じタンスに入れておいて、「喪服にはカビが生えていたけど、その上の無地は大丈夫だった」などという事もよくあると思います。

じゃあ何故、喪服にはカビが生えてその上の着物は大丈夫だったのでしょうか?

喪服にカビが生えやすい理由があるのです。

それは、喪服はその黒さを競う為に、深色加工(呼び方は他にもあると思います)がしてある事が多いからです。分かりやすくいうと、喪服は黒く染めた後に、より黒く見せるために加工剤を吹いて黒さを増す加工をしてある事が多いのです。

特に指定しない限り、呉服店などで購入する喪服にはほぼ100%この加工がしてあると思います。その加工剤がカビの原因だと思われます。

大島等の紬にカビが来るのは、製造過程で使用する糊が残っている場合だと思います。仕立てる前に、糊抜き(いわゆる「ふかし」)をしないと糊が残った状態になりそれがカビの原因になるのです。

先程の画像の柄の部分も同じです。柄を書いている胡粉の糊にカビが来ているのです。

よって、共通して言えるのは、湿気は勿論カビが生える助けになりますが、それだけではなく、加工剤や糊或いはシミがあるとさらにカビが生えやすいという事になります。よってそれらに気を付ければカビを生やさずに済むのではないかと思います。

以上、参考になれば。。。

カビが生えた際には、是非ご相談下さい。

では、また。

カビについて

こんにちわ。

今日のテーマはカビです。

みなさん、きもののカビでお困りの方が結構いらっしゃるようです。

カビを生やさないようにするためには、色々あると思います。
例えば、
・年2回程度、虫干し(風通し)をする。
・タンスを寒暖差の激しい場所には置かない。
・湿気の多い日はタンスを空けない。
などなど・・・。これらの事は、特にお金を掛けなくてもご家庭で出来る事だと思います。

現時点で、きものに使える防カビ剤というのはありません。ガード(撥水)加工もある程度の効果はあるようですが、万全ではありません。カビが生えたら、丸洗いする。ひどいものは解いて洗張りをする等の処置が必要になってきます。

カビのあとが変色していることもあります。その場合は、以前紹介したような変色直しが必要になってくるでしょう。

カビを防ぐ意味で、ワタクシの知りうる限り一番効果的なものは、シルクパックだと思います。
カビや虫食いを防ぐには、シルクパックが一番だと思います。

勿論、上に書いたような対策が出来る方は必要ないと思います。
割と普段からきものを着用される方でも、よく着るきものとそうでないきものがあると思います。
例えば、礼装用のきもの。留袖や喪服は着用する場面が限られているので、そういう着物はシルクパックにしてあると安心だと思います。
シルクパックは1点ずつではないので、帯や長襦袢と一緒にパック出来るのも利点です。
また、真空パックではないので、きものがつぶれる事もありません。

シルクパックについて詳しくは過去の記事をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/chado1976/20090519/1242728247

もうひとつカビを別の視点から考えると、カビが生えやすい着物とそうでない着物があると思います。
湿気が多いとカビが生えやすいのですが、それだけではありません。

カビが生えやすい着物って何だと思いますか???

少し長くなったので、この続きは次回に!

では、また。









追伸:インターネットというのは、全世界につながっているので、世界中から見られている可能性があります。










というか、既に見られてます。








わざわざ、アメリカから見に来られている方もいますし、ハンガリーから(これは明らかに身内)・・・・
内容には自信を持っていますが、あまり信じ過ぎないようにして下さい。








そして、できればコメントもお願いします。

ホントに、では、また。

紋洗いPart2

 こんにちわ。

 しばらくぶりの更新です。多からず更新を楽しみにおられる方、申し訳ありませんでしたm(_ _)m。

 すっかり過ごしやすい気候になりましたね(この辺りの話ですが...)。

 この間に、十三参りも済んでしまいました。今年は、姪っ子がお参りした為、その様子を少し。
 
 真中にきものを着てちょこんと(背丈はかなりでかいが)座っているのが姪っ子です。本人の許可は取っておりませんので、後姿のみの掲載とさせて頂きます。あしからず。

 今日の本題の紋洗いです。

 以前、紋洗いは掲載した事があるのですが、紋自体が黄色く変色した場合でした。
 今回は、紋泣きの場合です。
 「紋泣き」というのは、紋に雨など水分がつくとその周りの染料がにじみ出て紋を汚す事をいいます。「紋が泣く」という表現をします。

 で、紋が泣いたやつがこちら、

 紋の右下の方が泣いておりやす。

 で、紋洗いをしたやつがこちら、

 
 引き(左側)の写真の方を見て頂くと分かると思いますが、衿のぐしが見えていると思います。という事でこれは左の抱き紋だという事が分かると同時にインチキではないという事がお分かり頂けると思います。いつも写真を撮るときに思うのですが、インチキだとは思われないように撮るにはどうしたらいいか考えながら撮っております。柄が近くにあれば、柄を入れてとるとか。

 ちなみに、これは喪服ですが、数年前から弊社で紋を入れたものは紋泣きしないようになっております。紋入れは是非当店で!!

留袖、喪服からのしめ(祝い着)、訪問着、色無地への抜き紋、縫い紋まで様々な紋入れに対応しております。

では、また。