抜き紋について

こんにちわ。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、だいぶ暖かくなってきましたね。
全国的には分かりませんが、少なくともここ岡山では朝夕の冷え込みがゆるくなってきたように思います。

今日は、抜き紋の紹介です。改めて見てみると、業務紹介があまりないですね。紋加工自体の紹介もまだでしたが、とりあえず抜き紋から。

抜き紋(染め抜き紋ともいう)とは、色留袖や色無地、訪問着等のきものに地色を抜いて紋を入れたものの事を言います。
きもの用語辞典によると、「紋の表し方の一つ。最も格式の高い正式な紋。地色に紋を白く染め抜いたものである。礼服だけでなく幔幕(まんまく)や幟(のぼり)などにも用いられる。」とあります。

やり方としては地色を抜くものと、石持ち(こくもち)といって紋を入れる部分が前もって白く防染して染めてあるものがあります。喪服や黒留袖などがそうですね。稀に、色無地でも石持ちがあるものがあります。

石持ちがないものの場合、先に紋の型にあたる部分を白抜してから紋の線を書くものと、紋の線を書いてからその部分を白抜するやり方があります。手描きの紋の場合は前者、うちのように機械紋の場合は後者になると思います。

では、実際の様子をご覧頂きましょう。
紋を入れる前がこちら

ここに紋を入れます

しろく抜きたい部分に薬剤を置き

白く抜きます

とまぁ、こんな感じです。ちなみにこの紋は細輪に橘という紋です。細輪の部分が結構厄介です。

仕立て上がったものに抜き紋を入れることもできます。
紋を入れる部分だけを部分的に解いて、そこに紋を入れます

その部分をしろく抜きます

で、背紋合わせをして完成です。

話は変わりますが、今、井原市にある田中(でんちゅう)美術館で特別展(「SPO」小谷元彦)が行われてます。ちなみに期間は明日(3/20)までです。
その展示してある作品の一部の刀が盗まれたそうです。盗まれたのは約1ヵ月前の話なのですが、まだ犯人が捕まってないので、犯人の画像が公開されてます。詳しくはこちらから
http://www.pref.okayama.jp/page/271492.html

犯人逮捕にご協力下さい。チェックのマフラー等特徴的だと思いますが、天網恢恢疎にして漏らさず、お心当たりの方は井原署まで是非ご一報を。。。

では、また。