留袖 地色の変色直し

こんにちわ。ご無沙汰しております。先月は更新がなく申し訳ありませんでした。

今日は、留袖の地色の変色直しの例を紹介します。

留袖の地色の黒い部分が茶色く変色している事例です。

2ヶ所変色が見てお分かりだと思いますが、右の方は本来の変色した姿です。
左は、やや色が違うと思いますが、お客さんがマジックで塗ったとのこと。大胆ですねぇ。ままあることです。
実は、右側も同様に塗ってあったのですが、マジックを落として本来の変色した姿を出したところです。マジックを塗ったままだと色が入りませんから。
何とかしたいお気持ちは分かりますが、この場合マジックのしみ抜き料金が余計に掛かるので、あまりお勧めできません。
で、修正した姿がこちら。

留袖といえば、先日こんな話がありました。とあるお客さん(仮に小売店さんとしておきましょう)から急ぎで留袖の紋入れのご依頼がありました。で、紋型は仮に藤輪に桔梗としますが、その紋の陰紋を入れて欲しいとの事。

ここで、ちょっと待てよと。普通、留袖のような祝い着には陰紋は入れません。そこで、お客さん(小売店さん)に確認してみると、「うっかりしてました。陰紋ではありません。日向紋です。」と。。。言われたとおりするのは、簡単ですがここで真のお客さんは小売店さんの先にあるわけで、その意に反した仕事をしてもダメなわけです。
この場合、未然に防げましたし、そのお客さんには、「これが茶堂の良さです」とアピールしておきました。ここが専門店の良さだと思います。勿論、全てに精通しているとは言えませんが、悉皆業者としての名に恥じない程度の知識は持っているつもりで、その知識を生かしてお客様にベストアンサーを提示しているつもりです。

留袖といえば、もう一つとんでもないエピソードがありましたが、それはまたの機会に。

では、また。