麻のジャケット
今日は、麻のジャケットのしみ抜きです。
きものと一緒に麻のジャケットを持って来られたお客様がいました。
麻は染色堅牢度の低いものが多く色が落ちやすいので注意が必要です。
実物はこんな感じです。
これじゃあ、着られませんよねぇ?
洋服タンスに掛けておいて、におい袋を一緒に掛けていたそうです。
このジャケットにはクリーニングのカバー(カゼット)を掛けていたのに変色してしまったとの事。
完全には直らないかもしれないということを了承してもらった上で、お預かりしました。
で、しみ抜き後はこんな感じです。
完全にきれいにとはいきませんでしたが、充分着られる位にはなりました。
「また洋服かよー」ヾ( ̄o ̄;) という声が聞こえてきそうですが、きもののしみ抜き例も載せるようにします。
きもののしみ抜きはいつもしているので、珍しくなくついカメラを取るのを忘れてしまうんですよねー。しみ抜き例はbefore afterが重要ですから。afterだけ載せてもどのくらいきれいになったか分かりませんし、しみ無かったんじゃないの?って言われればお終いですからねー。
先日、仕立て中の留袖で紋の位置が一つ違うことに気が付いてどうにかして欲しいという依頼がありました。留袖はもともと石持ち(こくもち)といって紋を入れる位置を予め白抜きにしてあるんですが、その白抜きにする位置を間違えたようです。左の抱き紋(左胸の紋)が実際の位置より一寸程上でした。本来なら、このような商品は出回るはずも無く、売った呉服屋さんから問屋さんに戻される商品なのですが、その問屋さんがつぶれてしまってもう無いとの事。
お客さんともいろいろご相談した結果、全て切り付け紋にした上で、位置が間違っている左の抱き紋は塗りつぶすということになりました。
「その塗りつぶした所もなかなか平らにはなりませんよー。」と申し上げ、ご了承頂いた上で、作業に入ったのですが、我ながらうまく塗りつぶすことができ、お客さんにもお褒めの言葉を頂きました。
こういうのは写真に取っておけば良かったなーと後で思いましたが、あとの祭りです。