染めの珍しいケース

みなさん、こんにちわ。

弊社は明日12日(日)〜16日(木)までお盆休みとさせて頂きます。

ところで、本日のテーマは前回予告した通り、染めの珍しいケースについて紹介させて頂きます。
別に事故事例ではないのですが、内容的に特にマッチするものがないので、このカテゴリとさせていただきました。

先日、うちの仕立て屋さんが納品に来ました。いつもなら検品して検針器にかけて畳んで終わりとまぁ、ほぼこんな段取りなんですが、ワタクシちょこっと用事があり出掛けて帰ってみると、まだいらっしゃいました。
それで、何をしてるのかと様子を伺ってみると、検針器に掛けると鳴るのだけど、いくら探しても針が見当たらないと。
「どれどれ」と検針器を掛けると、やはり反応が。それでその辺りを手で探ってみるのですが、やはり針は見当たらない。
おかしいなぁ( ̄△ ̄;)。
 
 そこで、よくよく事情を聞いてみると、仕立てる際に脇の部分の柄が合わなくて修正してもらったとの事。1箇所色が入っていなかったそうです。どうもその部分が鳴っているとの事。それで、改めて検針器を掛けてみるとやはりその部分が鳴っています。
 
 絹を染める酸性染料には含金染料(正確には金属錯塩酸性染料)というものがありますが、その一種なのか、或いは、天然染料で鉄を媒染剤として使ったものがありますが、そのどちらかではないかという結論に至りました。検針器は磁力で鉄を感知する物ですから。。。今までかつて、金彩加工の部分が検針器で鳴るという事がありましたが、今回の鳴り方は、明らかに針があるような鳴り方でした。その時ふと、これだけ鉄分が多いという事は、その修正した部分に磁石を近づけるとくっ付くのでは?という考えが浮かびました。

 そこで、その実験した結果をご覧頂きたいと思います。写真なので、イマイチ分かりにくいかもしれませんが。。。

まずは、問題の部分がこちら、

(1)の部分と(2)の部分の色が違ったわけです。
(1)の部分が修正した箇所です。

で、磁石を付ける前と後の画像がこちら、


磁石にくっ付いて生地が浮いているのが分かると思います。

こんな例は、ワタクシ初めてですが、その仕立て屋さんは検針器が鳴るものだから、1時間位ずーっと探していたそうです。針が入ったまま納品なんてもってのほかですからね。お客さんには事情を話して納得して頂きました。

今日のところは、この辺で。みなさん、良いお盆を。では、また。