カンブリア宮殿をみて[日ごろ思うこと]

 こんにちわ。

 先日放送の「カンブリア宮殿」を観ました。リアルタイムに観れなかったので、ビデオに録画して観ました。クリーニング店のオーナーが出て革命を起こす、取れないシミはないというような番宣をしていたので、とても興味がありました。

 感想としては、あの社長さんはよく研究されているなと思いました。そして、共感できる部分は多々ありました。
 ただ、ワイシャツのクリーニングに6,000円は、かなりレアなケースだと思います。あの仕事で6000円はそんなに高いとは思いません。それをいつもそうであるかのように取れる放送をする、テレビ局。恐るべしですね。
 あと、橋本社長さんが大学の一般講座でしみ抜きの仕方をレクチャーされてる部分も放送されました。ある液体と洗剤を混ぜると万能のしみ抜き液ができ、それを付けて洗濯すると殆どのシミが取れてしまうとのこと。
 実際は、ちゃんと説明されているのでしょうが、テレビでは時間の制約があり、すごくポイントしか説明されてませんでした。はっきり言って、あの液体は、シミの種類や素材によって効果が違いますし、場合によっては地色が剝げる事があります。
 2,3年前に、カリスマしみ抜き王子なる方が、テレビでカリスマしみ抜き液というのを発表されてて、その液を使ってしみ抜きしたけど、取れなかったというお客さんがうちにいらっしゃいました。勿論、きれいにしてお返ししましたが、万能のしみ抜き液なんてものは存在しません。ある程度、広範囲に使用できるものはありますが、シミの種類、繊維の種類によって使う薬品も違います。だからそこは、素人が簡単に手が出せるところではないのです。自分で出来る事はされれば良いと思いますが、失敗するとプロでも直せない事もあるので注意して下さい。

 また出したものは全てきれいになるとも受け取れる放送がされていましたが、実際は、お客さんとの会話の中で服自体の色が薄くなるといった事もあると言っていました。やはりテレビ恐るべしですね。赤ワインのしみが付いたニットがきれいになっていましたが、あれもそんなに難しい事ではありまん。うちでも十分出来ますし、地色が白でなくてもしみ抜き出来ます。もとは生成りだったニットが仕上がりは白くなってたのは若干気になりましたが。。。

 ただあの社長さんの言ってた、衣類に対する思い。お客さんが大切にしている衣類を丁寧に処理するというのは当たり前だけど、とても大切なことだと思いました。

 うちは、きもの専門ですが、きものは今や普段着ではなく、晴れ着のニュアンスが濃くなってきました。例えば、成人式、結婚式、七五三、十三参り等・・・そこには様々な場面があり、殆どの場合それが良い思い出となっていくものと思います。その思いで作りのお手伝いがうちの仕事なのだとと思います。普段の作業で気を緩めてはいけないと改めて感じた放送でした。